現在、医薬の研究は日進月歩で進み、その効果を発揮していますが、医薬品の効果とは反対にその副作用の問題は軽視できません。昔から、水には弱ったからだを治す力がある、と信じられてきました。水はからだに負担をかけることなく、人の持っている治癒力を引き出すことができます。このようなことから、近頃では、水の治癒力が医療の現場でも見直されてています。
心身を癒すと信じられてきた水
フランスとスペインの国境にあるピレネー山脈のふもとに「ルルドの泉」という泉があるのを知っていますか?この泉は「万病を治す」水が湧く、奇跡の泉として世界的にも有名です。世界各国からさまざまな難病を持った人々が、この地を訪れ、今も泉も水を浴びたり、飲んだりして、ルルドの泉にケガや病の回復の望みを託しています。
フランスをはじめヨーロッパでの温泉治療は飲泉が基本です。日本でも湯治などで温泉に入るだけでなく温泉水を飲んで、病気の回復の効果を得ようとすることがあります。
医学的根拠を持たなかった時代にも、人々は「水の持っているからだを治す力」を信じていたわけです。現代では医学的にもさまざまな研究がなされていて、それぞれの効果
が解明されてきています。
研究から分かった水の効果
水はさまざまな外的要因によるストレスから、からだを守る役割を果たしていることが現代の医学的な研究から分かりはじめています。それら効果を挙げてみましょう。
*老廃物の排泄を促す効果
排便・排尿はからだの中にたまった老廃物をからだの外に排泄して、からだを正常な状態に保つ大事な役割を担っています。水を飲むことで利尿作用を促したり、腸のぜん動作用に働きかけたりして老廃物の排泄を促します。
*熱を下げる効果
高熱が出ると汗をかいてその気化熱を利用して解熱を促す作用が働きます。発熱した時に十分に水を取るように医者から指示されるのはそのためで、同時に脱水状態を回避します。
*新陳代謝を促す
人間が生きていくために必要なサイクル、いわゆる新陳代謝を活発にさせます。
*覚醒効果
からだの機能が鈍っているときに冷たい水を飲むことで、消化機能に適当な刺激が与えられて、体内機能の覚醒を促します。
*鎮静効果
ストレスやショックを受けると血液が極端に脳に集中して滞り、精神的に興奮状態になります。こういった状態の時、水、特にカルシウムが多く含まれたミネラルウォーターを飲み、血液循環を促すことで、血液が胃腸にも行き渡り、精神的に落ち着くことができます。また、脳が興奮状態で眠れない時も同様に、水を飲むことで体内の血液循環とバランスが整えられて、緊張が和らぎ、穏やかな眠りにつくことができます。
*解毒と希釈
水は解毒効果として、体内に入った有害物質を分解する力や、希釈効果として毒性を薄ける力を持っています。アルコールを摂取すると発する有害物質アセトアルデヒドを分解して、二日酔いや悪酔いを抑制し、酸性になったからだを中和(希釈)する働きがあります。
*嘔吐中枢を刺激する
からだが受け付けないものを食べてしまったとき、水を大量に飲んで嘔吐中枢を刺激して吐き出すことで、応急処置となります。
まとめ
水は癒し