当たり前のように存在している水ですが、地球上の全ての生き物は水に支えられて生きています。水にはどんな力があるのかを、改めて確認してみましょう。
生命を支える水の恩恵を知る
地球の表面のおよそ7割は海で覆われていますが、自然界では、水は海のように液体状で存在するだけではなく、氷のように個体として存在したり、目には見えなくとも気体となって空気中に存在していたりもします。
このようにどこにいても私たちの周りには必ず水が存在しており、地球上のあらゆる生物は水からの恩恵を常に受けながらその生命を維持しているのです。 私たちのからだに対して水がどのように活用されているのかを、大きく6つに分けて確認してみましょう。さまざまなシチュエーションで私たちが水と関わり、その恩恵を受けていることが分かります。
- 溶解力
- 浄化作用
- 熱伝導率が高い
- 気化熱
- 融解率
- 外温の影響を受けにくい
もの「溶かし」て「浄化させる」力
水の持っている力は大きく6つに分類することができます。その中で、私たちの生命活動の根源ともいえる栄養補給と排泄に関わるのが、「溶解力」と「浄化作用」です。
1番目として、まず「溶解力」とは、ものを溶かす力のことです。私たちは、水を飲むことで水分補給だけでなく、栄養分を溶解して分解・吸収しやすくして栄養素を体内に取り込みやすくしています。
2番目の「浄化作用」ですが、これはからだに溜まった老廃物を体外に排出したり、有害物質を希釈したりします。
この「溶解」と「浄化」の2つの作用は、私たちが生きるための必要なエネルギーの合成と吸収、さらに排泄、つまり代謝に深く関わっています。十分な水を摂取しないでいると、この代謝がうまく行われず、からだが正常に機能しなくなり、最悪の場合、死に至こともあるのです。
熱を調節する力
3番目に、水は「熱伝導率が高い」という特性があります。たとえば、入浴することで体を温めたり、反対に夏の暑い日に海やプールでからだを冷やしたりするのは、水には熱が伝わりやすい力があるからなのです。
4番目に、人のからだは「気化熱」を利用して体温を調節しています。たとえば体温が上がると汗が出ますが、なぜからだは汗を出すのでしょう?これは多くの方もご存知かと思いますが、水は熱によって温められると、熱を吸収して水蒸気になります。この特性が、発熱、夏の暑さ、運動によって体温が上がると発汗させ「気化熱」を利用して体温を下げているのです。
夏の暑い日、庭や道に打ち水をして涼をとるのもこの気化熱を利用した人の知恵です。
外温から守る力
5番目は「融解熱(=凝固熱)」が大きいこと。これは凝固するのに大きなエネルギーを要するので、なかなか固まらない、つまり水の場合はなかなか凍らない、ということです。
私たちのからだも約6割は水分で占められていると以前に述べましたが、そうやって水分量が多いため摂氏マイナスの環境でも凍らないでいられるのです。
6番目に挙げられるのは「外温の影響を受けにくい」という性質です。私たち人間の体温が一定に保たれているのは、水は他の物質に比べ、外温の影響を受けにくいからです。気温の低いところでも、高いところでも、体温に変化がないのはその性質があるからです。